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警備中に事故が発生!責任は誰が取る!?

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警備中に事故が発生!責任は誰が取る!?

警備中に事故が発生!責任は誰が取る!?

目次

・交通誘導警備の最中に事故が発生したら
・過去の判例から見る交通誘導による事故
・賠償責任と予防策
・まとめ

交通誘導警備の最中に事故が発生したら

まず、大前提をお伝えすると、警備員の指示に
法的拘束力・強制力はありません。
平たく言うと、警備員の誘導指示は
ドライバーや歩行者に対する「お願い」
ということになり、あくまでも優先されるのは
道路交通法です。

ですから、交通誘導を行った結果として
生じた事故についても、原則として
ドライバーや歩行者が自らの判断で
進行した結果、起きた事故ということになり
当時者として過失割合を負うことになる。
これが一般的な考え方になります。

とはいえ、警備員の誘導がわかりづらかったり、
明らかに誤解を生じるような誘導であったりした場合は、
警備員の過失責任を問われる場合もあります。
そうならないように、法定研修やその後の
現場でのOJTで、安全への意識づけと
わかりやすく間違いようがない指示の出し方を
身につけることが求められます。(詳しくはこちら)

警備員の責任が問われにくいからと言って、
軽い気持ちで適当な誘導をすることは
絶対にNGだと心得てください。

過去の判例から見る交通誘導による事故

実際に裁判所で判決が出た例をご紹介します。

<概要>
正面の信号が直進と左折の青矢印を表示していたが、
運転手が警備員の誘導灯の動きを見て
右折して構わないと判断し、右折したところ
交差点内で接触事故が起きた。

上記の場合、過失割合がどうなったかというと
右折した車両の運転手が7割、警備員が3割という
過失割合が確定しました。理由は、
・警備員の誘導が「右折合図」と判断できる動きだった
・警備員は車両を右折させた場合、事故が起こりうると予見できた
・警備員の誘導には法的権限(強制力)はなく、
 最終的には運転者の規範意識によらざるを得ない
・信号機の表示に従うという、基本的な義務に違反した事実は
 運転者の重大な過失である。
・道路状況を踏まえて誘導指示を鵜呑みにしたことは
 慎重さを書いた運転だった。


つまり、警備員の指示に従うかどうかは
最終的に運転手が判断することであり、
この事故の責任の多くは運転者にあるという判例です。

大切なのは、警備員の過失割合が低いことを
どう捉えるか?です。
判例の中に「右折合図と判断できる行動があった」
とあります。これは明らかな警備員の過失であり、
事故の過失割合が3割で良かったという話ではなく、
警備業に携わる者としては、誤解を招きかねない指示を
出さなければ、事故は起きなかったと考えるべきです。

法的な責任を問われにくく、最終的には
ドライバーや歩行者が責任を問われること。
それを一般の方々はあまりご存知ないこと。
この2点に留意して、身体的な安全はもちろんのこと
通行者が法的責任を問われないような警備を心がけ、
実践することが本当の意味での警備業だと
私たちは考えています。

賠償責任と予防策

<賠償責任について>
上記の判例ように、警備員側にいくらかの
過失割合が認められた場合、賠償責任が発生します。
とはいえ、警備員個人に課されることはほとんどなく、
所属する警備会社が加入している「警備業者賠償保険」
によって賄われます。

また、警備業務中に警備員がケガなどをした場合も
過失割合によって賠償保険や労災が認定されます。

基本的に、警備員個人に賠償を求められるような
事態は考えにくいものの、事故やケガによって
得をする人や企業はいません。なにより、心身の回復や
損なわれた信頼を回復するには、長い時間がかかるでしょう。

<予防策>
なにか特別な対策をするということではなく、
警備員としての基本行動を徹底し続けることが
事故発生の可能性を低減させます。

具体的には
・警備員の装備品を必ず身につけること。
・研修やOJTで教わった指示や行動を徹底し、
 省略したり曖昧に見える行動は絶対にしないこと。
・交通誘導の場合は常に自分の立ち位置に留意し、
 車両と接触する動線を避けること。

などが挙げられます。

自らはもちろん、通行する車両や歩行者を
物理的・法的に守る仕事であることを忘れず、
日々の業務に責任感を持ってあたること。

時には、自らの行動の戒めとして
他社で起きてしまった事故の詳細を報道などで知り、
詳細を把握することも大切です。
「人の振り見て我が振り直せ」ではありませんが、
慢心しない心がけも警備業には重要な要素となります。

まとめ

・警備員の誘導や指示には法的根拠(拘束力・強制力)はない。
・事故が起きた場合、通行者の過失割合が大きくなる
 ケースがほとんどである。
・警備の仕事とは、物理的な安全だけでなく
 通行者の法的な安全も守る意味合いが含まれる。

この3点が今回の記事のまとめです。

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